日常

2022年2月24日

戦争が始まったらしい。

どうにか今の気持ちを書き残しておきたいと思った。Twitterはそういう用途には適さない。余計なノイズが多いし、埋もれてしまうし、言葉数も足りないし。 書ける場所を残しておいてよかった。ここも良い場所とは思わないが、誰に読ませるつもりでも無いものをひとまず置いておくには十分だ。

宣戦布告だの進行だの空爆だという呟きの間にはソシャゲの広告が挟まれているし、トレンドに並んでいるのもやれVTuberの契約解除だ、無料10連だなんだと、あまりにも現実感がない。

夢と現実が混ざるように、あらゆる欲望が同時に並び立つさまは、かつてアニメやゲームで見たサイバーパンクものを想起させる。例えばそう、どこかのバーテンダーが居た街のように。ドアを一枚挟めば会話の沈黙を埋める音となるだけ。BGMをセットし直して、午後の仕事を始めよう。

こんな気分のときに聴ける音楽はそんなに多くはない。ずっと平沢進の救済の技法を流していた。

この世の人 気は確かか? 賢者がまた 飛び降りてる ――― "TOWN-0 PHASE-5"

どこにでも地獄があるように、救いもその辺に転がっている。それがあなたが求めたものとどんなにかけ離れた醜いものであっても、それに他ならない。

世界のどこでも一発の銃弾が飛ばない日なんてきっとない。単に大きくメディアで取り上げられるから気にするだけなのだ。大学時代にメディアについて他人より多くを学んだつもりだが、学んだとしてもそれが役に立つか、正しく使うことができるかは別の話だ。

僕もその辺にいる一般人に過ぎないし、僕には普通が一番良いのだ。いつか自分が何か特別なものになれるという普通の願望を抱えて、非日常にも無理やり日常を見つけだして、それと気づかずに過ごしていくのだ。

誰かが生と死の狭間に揺れていても、私が気にするのは仕事の納期と進捗の悪いプロジェクトの打ち合わせのことだし、どんな時でも、音楽や本や映画は、あらゆる娯楽と欲望は、私をどこにでも連れて行ってくれる。

"絢爛たる紙吹雪は鳥居をくぐり 周波数を同じくするポストと冷蔵庫は先鋒をつかさどれ"